ご挨拶

経緯

2005年には障害者自立支援法、2012年4月にはつなぎ法が施行され、障害児施設の再編成が行われ、肢体不自由児施設、重症心身障害児(以下、重心)施設は医療型障害児入所施設となり、18歳未満は児童福祉法での医療型障害児入所施設、障害支援区分(5,6)の18歳以上は障害者自立支援法での療養介護事業所となりました。

現状と課題

医療型障害児入所施設になって、旧肢体不自由児施設は全国に58か所あり、経営母体は半数以上が民営です。運営上重心の入所が多くなり、有期有目的などのニーズがあっても肢体不自由児の入所訓練治療の機会が得にくくなっています。重心の長期入所者が多くなると児は者になり、特別支援学校を隣接・併設した、子供の持っている能力を最大限伸ばし、地域生活を支援する、通過型の子供の訓練治療施設の充実が課題となっています。

障害程度が重度化・多様化する障害児の状況に、これまでの重心と肢体不自由という重症度の枠組みは実態に合わなくなっています。重心(運動機能が立位歩行不能でIQ35未満)には当たらない訓練治療が必要な障害児にとって、成長期の必要な時期に必要な入所療育を受けられるような対策が必要となります。現状では漫然と頻度の少ない通院訓練が行われている場合があり、機能が向上する時期を逸している例もみられます。子供の持つ能力を伸ばすための有期有目的入所など在宅支援のための入所機能を存続し、さらに充実させる必要があります。

社会のニーズに応じて70年余り積み上げてきた多職種の専門家による旧肢体不自由児施設のチーム療育は、一般の病院など他では取って代わることができないため、障害児の最後の砦としての役割を担い続けなければならないと考えております。

全国肢体不自由児施設運営協議会
会長  小﨑 慶介